トレジャーハントの心得
自分にとって未知のものを取り入れるのには、
一旦少しの無理が生じる。
それは畢竟、面倒なことだからだ。
しかし、得られるものが多いのも、どうしても事実である。
私は今日の今日まで、シソンヌがあんなに面白いなんて知らなかった。
「シソンヌ」という芸人がいるのは知っていたが、
なんとなく見る感じがしなかった。
どちらかというと、自分にとって好ましくない様な、そんな予感を抱いていた。
が、面白かった。シソンヌ面白い。
こういうことは、よくある。
「そんなんどうせつまらんしょ」
「いやいやそんなんより俺が知ってるやつの方がいいっしょ」
とか言って、取り入れないでしばらく経つ。
でもいざ見てみたら「あ、俺これ好きだな」と、なる。
そんなことがある度に「気をつけよう」と思う。
もちろん未知のもの全てが、自分にとって有益とは限らない。
取り入れようとして、結局合わないものもたくさんある。
でも、一旦取り入れるところまで行かないと、合う合わないの判断はできない。
言葉で書くと陳腐で、「んなことわかってるわよ」と我ながら思うが、
今日までの私が、いかにシソンヌを直感と称した偏見の眼差しで見ていたか。
今日のことはよく覚えておくがいい。私よ。
自分の行動は、理想の自分とはズレがある。
「凝り固まりたい」と思って凝り固まっていく人などいないのだから。
自分では柔軟な方だと思っていても、全然そうなっていないのが人間というものである。ええ。
外からじゃ、金脈はどこにあるかわからない。
だから出来るだけ多くの洞窟に入って、掘らなきゃ。
その先に、金脈があるかもしれないし。
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